NEWS

ホーム > NEWS > 埋もれた音楽史を探求する稀有な個性を聴く ピアニスト金澤攝 ヒストリカル・コンサート 「ショパンと親友たち」

埋もれた音楽史を探求する稀有な個性を聴く
ピアニスト金澤攝 ヒストリカル・コンサート
「ショパンと親友たち」

 19世紀から20世紀のヨーロッパで活躍した、現在は埋もれた作曲家とその作品を現地で発掘。膨大な楽譜の収集と研究という作業を主体に、数多くの蘇演を含む演奏活動を行って来たピアニスト・作曲家が、金沢市にいる。12月7日(土)、大阪のザ・フェニックスホールではそのピアニスト、金澤攝(かなざわ・をさむ)を迎え、「ピアニスト金澤攝 ヒストリカル・コンサート『ショパンと親友たち』」と題したコンサートを開催する。
 プログラムに登場する作曲家はフレデリック・ショパン(1810-49)を中心に、金澤の視点で選ばれたフェルナンド・ヒラー(1811-85)、ユリアン・フォンタナ(1810-69)、シャルル=ヴァランタン・アルカン(1813-88)の4人。ショパンの横にベルリオーズやリストといった大作曲家が並び立つ、巨視的な音楽史の年表には決して現れて来ない作曲家たちだ。
「同じ年に生まれた複数の作曲家たち、あるいは同じ地域に住んでいた複数の作曲家たちを並べて演奏してみる。そうすることによって、それまでひとりの作曲家の個性と思われていたものがある時代の流行であったり、逆にどの部分が彼の個性であったかなどが浮かび上がって来る」と金澤は語る。今回のコンサートでは周囲の作曲家を改めて知ることによって、彼らとの交友の中に浮かび上がる新しいショパン像を逆照射してみたいと言う。
 当日はザ・フェニックスホール音楽アドバイザーである大阪大学教授、伊東信宏を聴き手に金澤攝のピアノと解説、そして鷲野彰子のピアノによって“知られざる”ショパンの同時代の作曲家たちの音楽に触れるとともに、多年にわたる金澤の仕事を紹介する。



伊東信宏プロデュース
ピアニスト 金澤攝 ヒストリカル・コンサート「ショパンと親友たち」

■12月7日(土)16:00  
あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホール
※15:40より伊東信宏によるプレトークあり。
 
チケット発売中 Pコード 207-239
指定席-3000円 
 
【プログラム】
ロッシーニ/ヒラー編:ウィリアム・テル序曲(4手のための)
ショパン:3つのノクターン作品15
フォンタナ:バラード作品17
アルカン:ルターのコラール
    「われらが神は堅き砦」による即興曲作品69(3手のための)ほか
 
【問い合わせ】
ザ・フェニックスホールチケットセンター
■06-6363-7999(平日10:00~17:00)
 

(2013年11月 6日更新)


Check

 ピアニスト 金澤攝 ヒストリカル・コンサート    「ショパンと親友たち」

■金澤攝(かなざわ・をさむ)
 1959年、石川県金沢市生まれ。作曲家、ピアニスト、音楽史研究家。3歳からピアノと作曲を始め、中学卒業後フランスへ。3年間をパリで学ぶ。’78年帰国。同年ヒンデミットピアノ全曲集をレコーディング(オーディオ・ラボ)。以後、作曲とともに、ピアニストとして埋もれた名曲の探求を指針とした活動を始める。’79年第7回ラ・ロシェル(メシアン)国際コンクール第2位(1位なし)、’85年第1回現代音楽コンクール審査委員長(園田高弘)奨励賞、’91年村松賞大賞、金沢市文化活動賞ほかを受賞。現在500名を超える作曲家の調査・演奏に携わる。’89年より、アルカン選集をはじめとするCDをリリース。管弦楽曲、室内楽曲、ピアノ曲を中心に100以上の自作曲がある。



■鷲野彰子(わしの・あきこ)
 大阪教育大学教育学部教養学科芸術専攻音楽コース卒業後、ニューヨーク州立大学パーチェス・カレッジ大学院修了。オランダ王立デン・ハーグ音楽院フォルテピアノ科卒業。ピアノ科・室内学科修了。現在、福岡県立大学人間社会学部講師。19世紀初期にウィーンで活躍したふたりの作曲家の作品を弾き比べた演奏会『シューベルトとヴォジーシェク』や、クラヴィコードとピアノを弾き比べると同時に、ラヴェルの『クープランの墓』から数曲をクラヴィコードで弾くという試みに挑戦した「クラヴィコードand/or ピアノ」など、ユニークな視点を持つ演奏会を行っている。